勉強会、活動報告等
- 第12回HSC勉強会 開催報告 2024年10月12日
- 今回は保護者12名、教員・支援者9名、当事者1名、学生1名、その他1名の計24名にご参加いただきました。
皆さんご参加ありがとうございます。
今回の勉強会では小学校の元校長先生に、敏感で繊細な特徴を持つ子どもへの学校での対応、学校への相談の仕方、不登校や行き渋りの際の家庭での対応についてお話していただきました。
学校が組織として、どのような方針で子どもと関わっているのか、私達はなかなか知る機会がありません。
その点について詳しく教えていただきました。
学校で子どもを支えていくためには、保護者と教員の共通理解が大切です。
一つの例ではありますが、先生方がどういう考え方で子どもと接しているのかを知ることができて良かったと思います。
学校に相談してみよう、先生に自分の子どものことを話してみよう、という気持ちを後押ししてくれるお話でした。
次にHSCの学校での基本的な対応についてお話がありました。
対応の方針はある程度共通しているところだと思います。
大切なのは「どんな子どもでも受け入れる」という先生の姿勢ではないかと感じました。
長い経験も必要だと思いますが、熱心で素晴らしい先生は「子どもを選ばない」という点が共通していると思います。
後半はグループトークを行いました。
学校とのやり取りでの悩み、学校に行けない時の家での関わり、学校以外の学びの場、保護者の気持ちの保ち方について共有しました。
今回も神戸教育短期大学の中塚志麻先生、福岡女学院看護大学の児玉豊彦先生にご協力いただきました。
いつも本当にありがとうございます。
毎回あっという間に過ぎてしまい、十分な時間が取れず申し訳ありません。
これまでZoomで開催してきましたが、やはり一度皆さんと対面でお会いしてお話ししたいと思いました。
来年には開催できるように準備しています。
次回は1月25日を予定しています。
また日が近づきましたら案内をアップしますので、是非ご参加ください。
松井学洋
- 第12回HSC勉強会 2024年10月12日 ※終了しました
- 2024年10月12日(土)10:00-12:00に第12回HSC勉強会をZoomで開催します。
今回は以前ご講演いただいた小学校の元校長先生に、敏感で繊細な特徴を持つ子どもへの学校での対応、学校への相談の仕方、不登校や行き渋りの際の家庭での対応、学校との情報共有の仕方についてお話していただきます。ご興味のある方は是非ご参加ください。
応募締め切りは10月5日(土)17:00です。
第12回HSC勉強会募集チラシ
〒662-0827 兵庫県西宮市岡田山7‐54
関西学院大学教育学部 松井学洋研究室事務局
Tel: 0798-52-4416
Email: kg.gm.lab★gmail.com
※メールアドレスは@マークを★に変えてあります。
- 第11回HSC勉強会 開催報告 2024年7月20日
- 今回は保護者17名、支援者2名、学生7名の計26名にご参加いただきました。
お忙しいなか皆さんご参加ありがとうございます。
今回はまず最初に、実際にHSCの子育てをされている保護者から、子どもの特徴と普段の関わり方、日常生活や学校生活の様子、保護者が望む支援についてお話していただきました。
人の機嫌や音などの感覚に敏感な特徴や不登校での生活について丁寧にお話していただきました。
集団生活である学校生活において、学校とのやり取りの難しさ、担任の先生が子どもに与える影響の大きさを感じました。
また、HSCに関して「環境が良ければ問題はでてこない」という言葉が非常に共感できました。
お子さんのありのままを受け止め、その上で子どもに何ができるか、自分がどうあるべきかを考えていらっしゃる姿に心から尊敬しました。
大変貴重なお話をありがとうございました。
次にHSP当事者の学生から、HSCと気付いたきっかけや、保護者や先生の対応で困ったこと、良かったことを話してもらいました。
大学生になってSNSや授業を通してHSPを知り、自分の特性に気付いたことを話してくれました。
また、学校生活で苦労したこととして、授業中の発表やグループワークが苦手なこと、人の悪口を聞くこと、怒られている人を見ることが辛かったと言っていました。
学校の先生の対応については、急かしたり、贔屓する先生への困り感が強く、肯定的に評価してくれる先生や誰にでも平等に接してくれる先生が良かったと話してくれました。
保護者へのメッセージとして、HSCについて知ってくれていること自体が心強いこと、温かく見守ってくれることの安心感について話してくれました。
子どもを支えていくためには、やはり保護者を支えていく必要があることを改めて感じました。
公的に相談できる場所以外で、気軽にHSCや子育てについて雑談できる場所が必要なのだと思います。
いつも思いますが、HSC勉強会がそのような場所の一つになればと願っています。
今回は質疑応答に時間を取り、グループトークは行いませんでしたが、神戸教育短期大学の中塚志麻先生、公認心理師の兒玉幸子先生、的確で温かいご助言をいただきありがとうございました。
次回以降は10月12日(土)、1月25日(土)を予定しています。
小学校とのやり取りに悩まれる方が多いと思いますので、以前お話いただいた元小学校の校長先生に、学校での敏感な子ども達への関わり方や学校とのやり取りの仕方についてお話してもらおうと思っています。
2か月前を目途に募集案内をアップしますので、ご興味のある方はご参加ください。
松井学洋
- 第10回HSC勉強会 開催報告 2024年4月20日
- 今回は保護者18名、支援者2名、学生5名、当事者1名の計26名にご参加いただきました。
お忙しいなか皆さんご参加ありがとうございます。
今回はHSP当事者として、主催の松井から自分自身の子どもの頃の特徴、日常生活や学校生活で苦労したこと、家族の対応で困ったこと・良かったこと、社会生活を営む上での繊細さとの付き合い方をお話させていただきました。
HSPの特徴はいろいろありますが、子どもの頃と思春期以降では本人の困り感が異なると感じています。
子どもの頃(HSC)の特徴で最も強く出ていたのは「過剰に刺激を受けやすい」という敏感さです。
私は首がチクチクするためセーターが着れませんでしたし、人の大きな声や周囲の雑音が苦手でした。
履き心地が変わるのが嫌でボロボロになるまで同じ靴を履き続けていました。
感覚刺激に対する敏感さが強く出ていたと思います。
次に強く現れていた特徴が、「共感性が強く動揺しやすい」ことでした。
映画やアニメで登場人物が窮地に陥るようなシーンは見ることができず、部屋から飛び出していました。
また、親に怒られたり、先生から少し注意されただけで涙が出ていました。
とにかく「よく泣く」と言われていました。
一方、思春期以降は深く考えてしまう特徴が、対人関係において繊細さとして現れていると感じています。
HSC、HSPの特性を持つ人が生きやすくなる一つの方法は、自分の特性を受け入れることだと思います。
受け入れるというのは、自分の特性を否定して無理に周りと合わせることではなく、自分の特性とうまく付き合っていくことだと思います。
その付き合い方をたくさんの人達と共有できれば良いと思っています。
子どもがHSCでも何となると思っていただけると嬉しいです。
後半はグループトークを行いました。
今回は2名の先生にファシリテーターとしてご協力いただきました。
神戸教育短期大学 中塚志麻先生
福岡女学院看護大学 児玉豊彦先生
今回は保護者の方もHSPで、子どももHSCの特徴を持っていて、子どもにどう関われば良いか、というお話がありました。
また、学校や園の先生に子どものことをどのようにして理解してもらうか、先生方とのやり取りについても話がありました。
次回は2024年7月20日(土)を予定しています。
学生に話してもらうのと、実際にHSCの特徴を持つ子どもを育てていらっしゃる保護者にお話していただこうかと考えています。
学校の先生に学校での関わりについてもお話していただきたいとも思っています。
2か月前を目途に募集案内をアップしますので、ご興味のある方はご参加ください。
松井学洋
- 第9回HSC勉強会 開催報告 2024年1月27日
- 今回は保護者14名、支援者(学校教員、保育職等)2名、当事者2名の計18名にご参加いただきました。お忙しいなか皆さんご参加ありがとうございます。
今回はHSP当事者の学生2名から、子どもの頃の特徴と認識したきっかけ、日常生活で苦労したこと、学校生活で苦労したこと、保護者や先生の対応で困ったこと良かったこと、当事者、保護者に伝えたいことを話してもらいました。
二人とも音に敏感であること、人混みが苦手なこと、些細なことに傷つきやすいこと、新しい場所や環境に慣れるまで時間がかかることを話してくれました。
特に学校には行こうと思えるまで2か月かかったという話があり、6月から登校できたとのことでした。
学校での人間関係のしんどさ、別室登校の話、集団で気を遣うこと、つらい記憶もあるなかで一生懸命話をしてくれる姿を見て胸が熱くなりました。
大人の対応で大切なのは、HSCが抱える不安やつらさを否定するのではなく、共感して受け止めることだと思います。
今回の話のなかで、学校の先生が仲の良い友達をグループにしてくれたことや、不安な気持ち受け止めてくれたことが良かったと言っていました。
また、両親が学校を休みたいときは休んでいいよと行ってくれたとも話していました。
このような対応を聞くと「甘やかしている」「我慢できるようにならないと将来苦労する」と大人は考えがちですが、HSCにとっては重要な「支援」だという認識が大切だと思います。
一生懸命自分の経験を話すことができる学生を見ていると、強くそう思います。
また、HSCの特性は生きていく上できっと活かせること、周りの人に頼ることが大切であることをメッセージとして話してくれました。
今回話をしてくれたお二人には心から感謝しています。
後半はグループトークを行いました。
今回も3名の先生にファシリテーターとしてご協力いただきました。
神戸教育短期大学 中塚志麻先生
福岡女学院看護大学 児玉豊彦先生
はぐむのあかりクリニック心理室 公認心理師 兒玉幸子先生
繊細な子どもへの親としての関わり方、子どもが訴える不安にどこまで寄り添い、どう声をかければ良いか、学校の先生にどのように理解を求めて行けばよいかなどが話題に挙がりました。
うまくいったこと、うまくいかなかったことも、全てが保護者の方々の経験になります。
その経験を共有し合えたらいいですね。
HSCの子育てで悩んでいる方がいらっしゃれば、どうぞ気軽に参加してください。
次回は2024年4月20日(土)を予定しています。
HSCの理解と支援をテーマに私自身のHSPの特徴と特性との付き合い方をお話してみようかなと考えています。
2か月前を目途に募集案内をアップしますので、ご興味のある方はご参加ください。
松井学洋
- 第8回HSC勉強会 開催報告 2023年10月7日
- 今回は保護者15名、支援者(学校教員、保育職等)9名、学生4名、その他2名の計30名にご参加いただきました。
たくさんのご参加ありがとうございます。
今回はいつもファシリテーターでご協力いただいているはぐむのあかりクリニック心理室公認心理師の兒玉幸子先生に「ちょっとした変化が苦手な子と家族の支援」のテーマでご講演いただきました。
子どもの内面は子ども自身もわからないことが多く、何が不安なのか、何が心配なのか聞いても答えが返ってこないことが多いです。
今回、子どもの言動には、様々な要因が重なり合って表現されていることをわかりやすく示していただき、改めて子どもの内面の理解が深まりました。
とても優しい語り方で、きっと普段からこのような受容的な姿勢で子どもと接しておられるのだろうなあと思いました。
また、最後に子ども向けのマインドフルネスと認知行動療法の本をご紹介いただきました。
こちらでも紹介させていただきます。
子どものためのマインドフルネス キラ・ウィリー著
だいじょうぶ 自分でできる心配の追い払い方ワークブック ドーン・ヒューブナー著
テキスト全部やることを目標にするのではなく、1日1ページで良いので、じっくり、ゆっくりするのが大切とのことです。
このような情報も大変貴重でありがたかったです。
先生のような存在が近くにいらっしゃればありがたいなあと、感じた方は多かったのではないでしょうか。
兒玉先生、ありがとうございました。
後半はグルーブトークを行いました。
今回も兒玉先生を含めて3名の先生にファシリテーターとして入っていただきました。
神戸教育短期大学 中塚志麻先生
福岡女学院看護大学 児玉豊彦先生
我が家にとって第3の居場所、子どもや自分自身のストレス対処法について話しました。
第3の居場所は子どもだけでなく親にとってもなのですが、これがなかなか出てこないです。
居場所を探しているところと回答した人も多かったです。
祖父母だったり、塾だったり、フリースクールが該当するという声もありました。
またストレス対処法も子どもに関してはゲーム、友達と遊ぶ。自分自身ではドラマ、散歩、寝ることなど身近なことを皆さん挙げていました。
ストレスへの向き合い方は人それぞれだし、子どもにとってのストレス対処法を親が知ることは、子どもにとって家が安心できる場所となるためには重要なことではないかと思いました。
今回の勉強会でも感じましたが、参加者に共通しているのは子どもを理解したいという気持ちだと思います。
単純な言葉ですが、難しい言葉です。
この勉強会が子どもの理解につながる一助となれば幸いです。
次回は1月27日(土)10-12時に開催予定です。
当事者の学生に話をしてもらおうと思っています。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
松井学洋
- 第7回HSC勉強会 開催報告 2023年7月30日
- 今回は保護者14名、支援者(学校教員、福祉関係者等)6名、学生3名の計23名にご参加いただきました。
日曜日にも関わらず、皆さんご参加ありがとうございます。
今回は不登校や保健室登校を経験したHSP当事者の学生から、当時の体験についてお話を聞き、私達に必要な関わりについて話し合いました。
当事者2名のお話は、本当に心に響く内容で、保護者として支援者として深く考えさせられました。
学校生活、友達関係、部活、保護者や先生とのやり取りなど、辛いこともたくさんあったなかで、それでも前向きに話をしてくれている姿に胸が熱くなりました。
子どもはいつでも一所懸命なのだということ、周りを心配させたくなくて悩んでいることを言えないこと、子どもの不安や困り感を大人が否定せずに受け止め、理解することが何よりも大切だと改めて感じました。
「休みたいと言ったら心が回復するまで休んでいいと言ってくれた」、「しんどかったらやめていい、しんどかったらここにいればいい」という関わりがやはり重要なのだと思います。
敏感で繊細な自分を否定せずに受け入れてくる存在や居場所が、HSCにとっては必要で、それが家庭であり、園であり、学校ではないでしょうか。
その経験が自分の特性と向き合っていくことにつながるのだと思います。
後半はグループトークを行いました。
今回も3名の先生にファシリテーターとしてご協力いただきました。
神戸教育短期大学 中塚志麻先生
福岡女学院看護大学 児玉豊彦先生
はぐむのあかりクリニック心理室 公認心理師 兒玉幸子先生
今回は学校関係者の参加も多く、敏感な子ども達に教員としてどのように関われば良いか、皆さん考えておられました。
また、保護者も子どものことを心配すればするほど悩むものだと思います。
「こうなって欲しい」、「これができないと困る」と焦ります。
ですが、本人のペースとやり方で、ゆっくりでも構わないのだと思います。
保護者へのメッセージとして、「不安や悩みを全てを受け入れてくれたら安心する」、「意思を尊重してくれたことが嬉しい」ことを話してくれました。
それがHSCの子ども達が望んでいることなのだと思います。
毎回、立派に話す学生の話を聞くと胸が熱くなりますし、何より自分の子育ては間違ってないのかなと、少し安心します。
そう思う参加者は多いのではないでしょうか。
次回は10月7日(土)を予定しています。
いつもファシリテーターでご参加いただいている公認心理士の兒玉幸子先生に、北九州市での不登校の子どもとご家族への支援についてお話していただきます。
松井学洋
- 第6回HSC勉強会 開催報告 2023年4月29日
- 2023年4月29日に第6回HSC勉強会を開催しました。
今回は保護者26名、支援者(学校教員、福祉関係者等)8名、学生4名、その他1名の計39名にご参加いただきました。
休日にも関わらず、ありがとうございます。
年度初めでしたので、最初に松井からHSCの理解と支援について、簡単にお話をさせていただきました。
私自身、人の敏感さとは何かについて勉強中で、その点についてお話させていただきました。
参加者の皆さんとシェアしたかった、という気持ちの方が強かったかもしれません。
次に、HSC当事者の学生に自身の特徴や学校生活、保護者の関わりについて話をしてもらいました。
HSPのチェックリストのほぼ全てが当てはまること、先のことが心配で不安になりやすいことを話してくれました。
その時に保護者から言われて助けになったのは、「大丈夫」という言葉だったとのことです。
これはHSCへの関わり方の大きなポイントだと思います。
「大丈夫」という声かけも、否定の意味で強く言う「大丈夫だから!」ではなく、不安を認めつつの共感的な「大丈夫」だったのだと思います。
「考えすぎ」「気にしすぎ」「強くならないと」ではなく、「大丈夫だよ」の一言が子どもの支えになるということですね。
また、自分自身の決断をいつも尊重してくれた、学校に行くのがしんどい時は「休んでいいよ」と言ってくれたとのことです。
この「休んでいいよ」の一言は親にとってとても勇気のいる一言ですが、緊張する人前で誠実に話してくれる姿を見ると、その一言がむしろ子どもを強くするのではないかと思いました。
子どもの将来への不安や焦りという、自分自身の気持ちとどう向き合うかが、保護者には重要だと感じます。
当事者としての学生の話は本当に参考になります。
人前で話すのはエネルギーを使うと思いますが、継続していきたいと思います。
後半はグループトークを行いました。
今回も3名の先生方にファシリテーターとしてご協力いただきました。
神戸教育短期大学 中塚志麻先生
産業医科大学産業保健学部看護学科 児玉豊彦先生
らんぷ・公認心理師 兒玉幸子先生
子どもの繊細さに親としてどこまで対応できるのか、学校園への行き渋りが出た時に親はどう対応すべきなのか、また学校は繊細さを持つ子どもにどのように関わっているのか、意見交換を行いました。
いつも話し合うには十分な時間が取れず、申し訳ありません。
また、同じHSCという共通のテーマで参加いただいていても、悩みや状況は多様です。
話すことで少しでも気持ちが楽になっていただければ幸いです。
次回は7月29日か30日を予定しています。
対面かオンラインか検討中で、いろいろな可能性を探っております。
2カ月前を目途に日時をアップしますので、しばらくお待ちください。
今年もよろしくお願いいたします。
松井学洋
- 2023年度のHSC勉強会開催予定
- 2023年度は以下の開催予定です。Zoomで開催しますので、皆さん気軽にご参加ください。
参加費無料です。
【2023年度日程とテーマ】
※10-12時、10:00-11:00 講演+質疑応答、11:00-12:00 グループトーク。
テーマは変更の可能性あり。
4月29日(土)HSCの理解と支援+当事者の話
7月30日(日)HSCと学校生活 当事者の話
10月7日(土)HSCの不登校と支援
1月27日(土)HSCと学校生活 当事者の話
来年度も当事者の学生から、日常生活や学校で苦労したこと、保護者や先生の対応で困ったこと・良かったこと、当事者、保護者に伝えたいことを話してもらいます。
また、グループトークでは、HSCの子ども達にどのように関われば良いか、皆さんと意見交換を行いたいと思います。
概ね2か月前を目途に募集案内をHP、SNSにアップします。
- 第5回HSC勉強会 開催報告 2023年2月12日
- 2023年2月12日に第5回HSC勉強会をZoomで開催しました。
今回は保護者20名、当事者1名、教員・支援者5名の計26名がご参加くださいました。
いつもお忙しいなか、ありがとうございます。
今回は兵庫県こころのケアセンターの中塚志麻先生に「レジリエンスを高める心のストレッチ」というテーマでご講演いただきました。
レジリエンスの意味からご説明いただき、レジリエンスの要素を動画を交えながらお話してくれました。特に私が印象に残ったのは、つながる力、人と相談する力、助けを求める力です。
次に無意識に自分を縛り付けている価値観「ノロイ」についてイラストをもとに実感し、最後に安全基地とHSCについてご説明いただきました。
私もHSCにとって安全基地の概念は、子どもを支える上で非常に重要なファクターだと感じました。
コメントが流れるコメントスクリーンやイラスト、動画など、受講者が参加しながら学べる工夫をたくさんしていただき、ありがとうございました。
後半はグループトークを行いました。
今回もらんぷ・公認心理師 兒玉幸子先生にファシリテーターとして入っていただきました。
保護者の方々のお話をお聞きして、HSCと不登校の問題は切っても切れないものだと実感しています。
私自身が不登校を経験していますので、不登校の子どもの気持ちは何となく理解できます。
また、どのような関わりを行えば学校生活での困り感や生きづらさを軽減できるかについても、学生に話してもらうなかで大まかに糸口は見えているように思います。
しかし、不登校で重要なのは「親の支援」であることを強く感じています。
どうしても子どもにばかり目が行きますが、保護者の悩みや葛藤は非常に大きく、先行きの見えない不安を受け止め、見通しが持てる場所がなければ、子どもも親も疲弊してしまいます。
微力ながら、このHSC勉強会がそのような場所の1つになればいいなと思います。
来年度は今年度は4月29日(土)10時-12時を予定しています。
また、日が近づきましたらホームページにアップしますので、よろしければご参加ください。
松井学洋
- 第4回HSC勉強会 開催報告 2022年11月20日
- 2022年11月20日に第4回HSC勉強会をZoomで実施しました。
保護者19名、教員・支援者8名、学生7名の計34名がご参加くださいました。
いつもお忙しいなか、ありがとうございます。
最初に松井からHSCの理解と支援について、簡単にお話をさせていただきました。
次にHSC当事者の学生2名に話してもらいました。
学生の許可を得て、話してもらった内容を以下に示します。なお、事前の許可なく無断転載、無断使用することを禁じますので、ご注意ください。
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学生A
1.HSPであることに気づいた時期ときっかけ
・気づいたのは大学1回生のとき(2,3年前)
・きっかけはSNSでたまたま見かけて自分に当てはまると思い調べたこと
2.子どもの頃からのHSPの特徴
・匂いに敏感。香水や柔軟剤、独特な匂いのするお店、食べた後に匂いが残る食べ物、色々な匂いがする電車などが苦手。
・様々な可能性を考えるので先が分からないことに不安を感じる。特にマイナスなことに関しては深く考えてしまう。
・自分が言ったことや他人に言われたことが気になると頭から離れない。
・自分の意見が言えない。相手が考えていることと違ったら嫌だなとか自分の考えを押し付けることにならないかなとか色々考えてしまい結局相手に合わせてしまう。
・3人以上になると話せなくなる。今自分が話してもいいかなとか今これを言ってもいいのかなとか色々考えてしまいそのまま話せない。
・常に人の機嫌を見てしまう。おはようと挨拶した友達の声のトーンや、他人が物を扱う時の音などから人の機嫌を見てしまう。
3.日常生活や学校生活で苦労したこと
・外に出るととても疲れて家に帰ると何もせずに寝てしまう。年齢が上がるにつれて感じたり考えたりすることが増えて、学校から帰ったら課題をすることで精一杯になった。また遊びに行っても帰りがクタクタなので、特定の友達以外と1日中出かけることはほとんどない。
・自分のことを他人に言えないので、悩み事や嫌だったことなど全て1人で抱え込んでしまう。体調が悪くても学校に行きたくないと思っても親に言えない。
4.保護者や先生の対応で良かったこと、困ったこと
【保護者の対応で良かったこと】
・自分が小さいことを気にしている時に「それくらい大丈夫」と言ってくれること。味方になってくれたようで安心できる。
・「お姉ちゃんだから」という言葉を言われなかったこと。この言葉を言われなかったから自然体で過ごせたのだと思う。
【保護者の対応で困ったこと】
・機嫌が悪い時に行動に出でると、自分が何かしたのかなと考えてしまう。「こんなことがあってイライラしている」などと言葉で伝えてほしい。
・学校での出来事を話した時に「気にしすぎ」と言われたこと。この言葉だけでなく否定されるととても落ち込むのであまり否定してほしくない。
・すぐに否定するのではなく話をきちんと聞いた上で「私はこう思うよ」と保護者の意見として話して欲しい。
【先生の対応で良かったこと】
・幼稚園の先生がとても褒めてくれたこと。日々の小さなことや頑張った過程を褒められると自分を見てくれていると感じて嬉しくなり、自己肯定感も上がると思う。
・話を聞いてくれたこと。家で話していないことを色々聞いてくれたから毎日学校にも行くことができたのだと思う。
・連絡ノートの返事を毎日丁寧に書いてくれたこと。毎日返事が楽しみだったし、先生の返事に自分が返事を書いたりししてコミュニケーションを楽しんでいた。
・連絡ノートに書いたことをきっかけに休み時間に直接話しかけてくれたこと。これがきっかけでとても話しやすいと感じて、色々な話を聞いてくれた。
【先生の対応で困ったこと】
・なし
5.HSC/HSP当事者、保護者に伝えたいこと
【当事者】
・周りには共感してくれる人や理解しようとしてくれる人が沢山いるから、周りの人に頼りながら自分の居場所を見つけて楽に生きて行けるようにできたらいいなと思う。
【保護者】
・保護者の方が自分の時間を使ってこのような会に参加し、理解しようとしてくれるだけで十分嬉しい。
・まずは少し意識してお子さんとお話する時間を作るだけでも困っていることや嫌なことを話しやすくなって少しは気が楽になると思う。
・何でも話せる人がいるのは心強いので、どうでもいいことを話して笑いあったり、何か相談されたときは時間をとって真剣に聞いてあげたりしてコミュニケーションをとる時間を大切にしてほしい。
学生B
1.HSPであることに気づいた時期ときっかけ
・高校2年生の時に、友人に何気なく自分の悩みを話したことでHSPの事を知った。友人自身もHSPの当事者であり、「もしかしたらこれかも」と、HSPがテーマのネット記事を送ってくれた。
・他にも同じ事で悩んでいる人がいることに驚き、同時に安心することもできた。「こんなことで悩んでいるのは絶対に自分だけだ」と思っていたので、自分は孤独ではないし、「おかしな人、変わった人」ではなく、至って普通な人なのだと心が軽くなった。
2. 子どもの頃からのHSPの特徴と日常生活で苦労したこと
【聴覚】
・大きな音に恐怖を感じる。音に物理的な重みはないのに、まるで自分にのしかかって圧迫してくるような感覚がある。
・駅のホームに立っている時に電車が通過する音。無音のイヤホンで対処。
・映画館の音響。映画館で観る時は静かな作風のものを選ぶ。
・テーマパーク。楽しめるはずの場所がストレスになったり、友人に気を遣わせて気が引けてしまったり、あまり楽しめないのが辛いところ。
【味覚】
・ミルクチョコレートが甘すぎて苦みを感じる。
・炭酸が痛すぎて飲めない。
【共感能力】
・判断基準は表情、声、仕草、何となくの雰囲気等、様々。聴覚的な特徴があるからか、特に声に敏感。
・少しでも相手が怒っていると感じると「自分が何かしてしまったのではないか」と強く不安に思うため、マイナスな感情がオーバーに出やすい人と接することが苦手。
・取り越し苦労だったら良いというわけではなく「無意識にアンテナを張り続けて心身共に疲れてしまう」ことが自分にとっての問題で、人と接すること自体とても気力体力を使うので、外から帰ると床に伏せて1~2時間動けないこともある。
・怒っている人を見ると、自分に怒っているわけじゃなくても強い悲しみを覚える。
・特に幼稚園から中学校までは常に誰かが怒られているような環境であり、毎日自分が怒られているかのような感覚だった。
・幼稚園児の時、生活発表会で使う大道具を一部の園児が壊してしまったことを先生が叱っているときに、悲しくて号泣して、先生や園児を慌てさせたことがあった。
【自己肯定感が低い】
・他の人と同じようになれないこと、自分の気質のせいで周りに迷惑をかけてしまうときがあること、打たれ弱いことが嫌で、自分が嫌いだと感じる。
・アルバイトで、とても忙しいときにミスをし、注意を受けた後、自分を責めるばかりで気持ちを切り替えられず、パニックになってまたミスを繰り返すことがあった。
4.保護者や先生の対応で良かったこと、困ったこと
【良かったこと】
・「○○(学校、アルバイト等)行きたくない」と言ったときに、「休んだらいい、休み休み」と言ってくれたこと。
・実際に休むことはなかったが、「自分の気持ちを受け入れてくれる」「理解しようとしてくれる」という安心感に救われた。
・幼稚園から中学生ぐらいまでは、家を除き、学校が世界の全てだと思いがちな気がする。その前提だと学校が行きたくない場所になった場合、家しか居場所がなくなってしまって、そこで否定をされてしまえば、自分をもっと追い詰めてしまったと思う。
・「行きたくない」というセリフに不登校の心配はつきものだが、自分を追い詰めて塞ぎ込むよりも安心な場所に一定期間いて、ひとまず心が落ち着く時を待つことも1つの策と思う。
・同時に、自分の嫌だったことやマイナスな話をちゃんと聞いてくれることもとても気持ちが楽になった。
【困ったこと】
・自分のミスではなく、自分の内面を指摘されたこと。ミスをしてしまった時点で誰かに言われなくとも「私は何でこんなんなんだろう」という自己否定が始まってしまいがちなので、小さいうちは特に、一緒に対策を考えて欲しい。
・また、親から「どうして秘密にするの」と言われたり、担任の先生にいきなり下の名前で、呼び捨てで呼ばれたりしたことも困った。
・人と関わることが苦手なので、ある程度の距離感が欲しい。例え親であっても話せないことはあるし、まだこちらの準備ができていない段階で呼び捨てにされるのは自分が許していない所に入ってこられたような気がして落ち着かない。
5.HSC/HSP当事者、保護者に伝えたいこと
・必ずどこかに自分が活き活きとできる場所があると思う。
・接客のアルバイトでも、ショーケースを隔ててお客様とやりとりをする職場であれば、自分と相手の立場がしっかり隔てられているので安心して仕事をすることができる。
・環境を変えたり転々と様々な世界を見てみたりすることで、自分が得意なこと苦手なことが分かって、自信がついて、少しずつ前を向けるようになる。
・刺激を受けやすいHSC、HSPにとって、色んな場所を覗くことはとてもしんどいこと。でも、一瞬覗いてすぐ離れるだけでも、十分価値があると思う。
・感受性が豊かで、思慮深く、自分が辛い思いをしてきた分、人の痛みがわかり、人に優しくすることができる人です。どうか自分が安心できる場所を見つけてください、そして保護者の方は居場所を見つけるお手伝いをしてあげてください。
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当事者としての学生の話は共感できる部分が多く、保護者や教員がどのように関われば良いか、大変示唆に富む内容でした。
また、人前で発表するのはとても緊張したと思いますが、丁寧に内容をまとめて誠実に話している姿に感動しました。
私も含めて、HSCの子どもを育てていく上での希望を持つことができたと思います。
後半はグループトークを行いました。
今回は3名の先生方にファシリテーターとしてご協力いただきました。
兵庫県こころのケアセンター 中塚志麻先生
産業医科大学産業保健学部看護学科 児玉豊彦先生
らんぷ・公認心理師 高木幸子先生
学校園への行き渋りや不登校についての悩み、先生との情報共有の仕方、子どもの感覚過敏や繊細さにどこまで寄り添えば良いのかという悩み等を話してもらいました。
親も人間ですから、やはり余裕がない時はイライラします。
でも、不安を訴える子どもに感情的になったり、戸惑ってしまう自分を責めてしまいます。
子どもの不安に寄り添えない自分はダメな親だと、自責の念を感じることもあると思います。
ですが、繰り返すように親も人間ですから、できないことはできないと淡々と伝えることも良いと思います。
事情を話せばわかる子ども達なので、感情的になって子どものHSCの特性自体を否定しないことがポイントだと思いました。
私自身も人にアドバイスできる立場ではありませんが、意識しながら関わっていきたいと思います。
勉強会を重ねていくなかで、HSCへの関わり方について共通点が見えてきたと思います。
やはり、周りの大人が子どもの繊細さや敏感さをまずは受け入れることが大切だと感じています。
その部分を否定されることが、恐らく最もつらいことなのではないでしょうか。
また、子ども達が自立する上で、子ども達自身が、HSC・HSPの気質との付き合い方を学んでいくことが大切だと思いますし、その付き合い方を一緒に考えていくことが、保護者や教員の役割ではないかと考えています。
お子さんも参加できるよう来年の夏休みくらいに、「HSCの理解と支援 ~自己肯定感を高める関わり~」というワークショップを大学で開催できればと思っています。
どのような関わりが子どもの困り感を減らし、自己肯定感を高めることができるのか、その点を参加者と意見交換できればと思います。
周りの大人はHSCとどう関われば良いか、HSC本人は自分の気質にどう向き合っていけば良いか。うまくいったこと、うまくいかなかったことをみんなで挙げて、より良い関わり方をみんなで考えていければと思います。
今年度は2月12日(日)10時-12時に第5回勉強会をZoomで開催します。
また、日が近づきましたらホームページにアップしますので、よろしければご参加ください。
松井学洋
- 第3回HSC勉強会 開催報告 2022年8月7日
- 2022年8月7日に第3回HSC勉強会をZoomで実施しました。
HSCを持つ保護者を中心に、保護者19名、支援者・教育関係者8名、学生(高校生含む)8名、その他3名の計38名にご参加いただきました。皆さん、いつもお忙しいなかご参加いただきありがとうございます。
今回はHSCと不登校をテーマに、元小学校の校長先生に学校での支援と保護者への助言をお話しいただきました。
子どもはほぼ毎日学校に行っていますが、親は学校内でどのような情報共有や対応を行っているか、なかなか見えません。
先生からは学校の組織としての対応と、職場の先生が同じ目的を共有することの大切さを最初にお話しいただきました。
次にHSCへの関わり方として、「先生に愛されている」と感じさせる工夫、先生も一緒に頑張っていくことを伝える、褒め言葉の大切さ、特に具体的に主語を明確にして褒めることについてレクチャーがありました。
また、「学校に行きたくない」という言葉が聞かれた時は、まず、親自身が心のゆとりを保つことを心掛け、これまで通りできるだけ穏やかに過ごそうとすることが大切。なぜ学校に行きたくないのかを見極めることが大事とのことでした。
特に、HSCの不登校の原因に「先生が怖い」というケースは、やはり多くあるとのことです。そのような時は、すぐに学校に相談して欲しいとのことです。担任が原因の場合はなかなか言えないと思いますが、担任ではなくても教頭先生でも校長先生でもスクールカウンセラーでも保健室の先生でも誰でも良いので、自分が伝えやすい学校の先生に伝えてくださいとのことでした。
もちろん、学校は様々ですし、先生も様々ですので、一概にうまくいくとは限りませんが、伝えなければ何も変わりませんので、まずは「子どもの様子を学校に伝える」ことが保護者の役割ではないかと思いました。
私は高校の時に不登校を経験していますが、そもそも不登校というのは子ども達にとって自然なことではないかと考えています。まずは周りの大人が冷静になることが大切ですね。
とは言え、不登校になると親は焦りますし、不安も大きくなります。
今、不登校や行き渋りのある子どもへの関わりで悩んでいる方も多いので、同じ状況の方同士で気持ちや思いを話せる場と言うのも重要だと思います。
ただ、不登校の要因は本当に多種多様で、かつケースバイケースなのです。HSCは不登校のリスクの1つの要因に過ぎません。
不登校になる前でも、不登校中でもHSCの特性を理解することが、やはり重要だと思いますので、今後もHSCの関する勉強会を開催していきたいと思います。
後半はHSC/HSP当事者の学生に自分の特性と保護者の関わりで良かったこと、困ったことを話してもらいました。
小さい頃から集団が苦手であったこと、他人の顔色をうかがっていたことを話してくれました。
そういったなかで、常に親が自分の味方であったと語っていたのが印象的でした。落ち込んだ時や失敗した時は、もっと頑張れではなく「私はあなたの応援隊長やから」と支えてくれたというのが印象的でした。
ちなみにご両親の夫婦喧嘩がとても辛かったと話していました。これは子どもがいるご家族にはグサッとくる言葉でないでしょうか。私もつくづく夫婦喧嘩はやめようと思いましたが、毎回、そう思ってはやってしまって後悔しています。
また、真面目でひといちばい頑張らないといけないと考えいているので、自分から休むことができず、「休んでいいよ」の言葉で休むことができる、というのも大切なポイントだと思います。
自分の特性を受け入れつつ、悩みながらも前向きに生きている学生の姿を見ると、立派で胸が熱くなると同時に、HSCでも大丈夫なんだと安心感が得られます。
その背景には、自分自身の性質を受け入れてくれた保護者と周りの大人の存在があるのではないかと感じました。
学生のお話が参考になるというご意見が多いので、やはり当事者同士で話し合える時間がもう少しあればいいですね。
次回、対面+Zoomでグループトークをメインにやってみてもいいかなと思いました。
今年度は、11月20日(日)10時-12時、2月12日(日)10時-12時を予定しています。
また、日が近づきましたらホームページにアップしますので、よろしければご参加ください。
〒662-0827 兵庫県西宮市岡田山7‐54
関西学院大学教育学部
松井学洋研究室事務局
Tel: 0798-52-4416
Email: kg.gm.lab★gmail.com
※メールアドレスは@マークを★に変えてあります。
- 第2回HSC勉強会 開催報告 2022年5月21日
- 2022年5月21日に第2回HSC勉強会をZoomで実施しました。
今回もHSCを持つ保護者を中心に、保護者26名、支援者・教育関係者7名、学生8名、その他2名の計43名にご参加いただきました。皆さん、お忙しいなかありがとうございます。
HSCでは園や学校への行きづらさを感じやすく、不登校になるケースも多いので、HSCにとって学校は行けて当たり前の場所ではないことを理解し、毎日登校しているだけでもスゴイと褒めることの大切さをお話しました。また、本当に行きたくない時は「休んでもいいよ」と伝え、安心させることが大事かなと思います。
特にクラスの先生が、大きな声で怒鳴る、机を叩くような先生の場合、HSCの子どもにとっては自分が注意を受ける対象でなくても大きなダメージを受けます。「先生、怒鳴らないで」と心から思うのですが、そういった先生は保護者からお願いをしても、なかなか変わりません。そのため、「休んでもいいよ」と安心させること、地道にHSCの特徴を子どもと関わる先生に伝えていくことが必要かと思います。
また、普段から繊細で落ち込みやすいので、保護者は将来が心配で「~すべき」「~しないといけない」と言いたくなります。しかし、慎重で深く考えているので自分なりの意見や要求を持っていることが多いので、子ども自身が「どうしたいか」を尊重し、考えをよく聞くことが大切だと思います。
保護者が「~すべき」を言い過ぎると、子どもが無理に合わせようとし、合わせられない自分に自信を失ってしまいます。自分で決めてやってうまくいった方が自信が持てるし、うまくいかなかった時はフォローしてあげることが大切ですね。
後半は本学の学生2名に当事者として、自分が持つ子どもの頃からのHSCの特徴と苦労したこと、保護者の対応で良かったこと・困ったこと、当事者・保護者に伝えたいことを話してもらいました。自分自身のことを丁寧にわかりやすく話してくれました。大変勉強になったのはもちろん、真摯に伝えようとしてくれている姿に胸が熱くなりました。
今回も参加できなかった保護者の方から、学生が話した内容について教えて欲しいと言う問い合わせがありましたので、学生の許可を取った上で内容を掲示します。下に記載していますので、今後の子どもとの関わりの参考にしていただければ幸いです。
座談会はグループに別れて実施しました。ただ、時間が短かったのと保護者にお任せするグループもあったため、ご不便をかける形になりました。本当は全てのグループにファシリテーターが入って、話を振ることが大切なのですが、準備が不十分でした。Zoomで初対面では話がしづらいのは十分承知していますので、次回は対策を考えていきたいと思います。
今回、ゲストでご参加いただいた京都女子大学発達教育学部心理学科准教授の中井靖先生には心から感謝申し上げます。
HSC/HSP当事者の方、保護者の方、決して1人ではありませんので、みんなで知恵を出し合いながら、子どもへの関わり方、自分自身の理解の仕方を一緒に学んでいきましょう。
もし、HSC当事者の学生に話を聞いてみたいという保護者がおられましたら、HSCHSPお悩み相談室として対応しますので、一度下記までお問い合わせください。
関西学院大学教育学部
准教授 松井学洋
Email: g-matsui★kwansei.ac.jp
※メールアドレスは@マークを★に変えてあります。
- 第2回HSC勉強会 開催報告 HSP当事者が望む親の関わり
- 学生の許可を取った上で、学生が話してくれた内容を掲示します。なお、事前の許可なく無断転載、無断使用することを禁じますので、ご注意ください。
【子どもの頃からのHSCの特徴】
1.考えなくていいこと、ありえないことまで深く考えてしまう(行動が慎重)
・友達や先生、家族の何気ない一言を相手が受け取って欲しいこと以上に「ああ言ってるけどほんまはこう思ってるんじゃないかな」「私何か悪いことしたかな」とあれこれ考えてしまう。冗談を本気で受け取ったりする。
・授業を受けている時に「今不審者が教室に入ってきてみんなのことを包丁で刺したらどうしよう」とか通学団で登下校している時に「あの車が私たちに突っ込んでくるかもしれない」と思ってビクビクしたりする。
・一人でよく反省会をする
2.刺激に対して敏感
・大きい音(特に電車の音、交通量が多い道路の車の音、クラクションの音)が苦手
・教室のガヤガヤした感じも苦手
・チクチク、ザラザラする服が苦手
・暑がりで寒がり 暑さ、寒さに敏感
・不安やストレスが頭痛、腹痛、吐き気など体の症状に出る
・光や大きな音が苦手
3.人の気持ちを感じ取りやすい(感受性が豊か)
・家族や友達、先生だけではなく全然知らない初めて会った人の気持ちまで勝手に感じ取る。
・学校で先生が他の子に対して怒っている時に自分は怒られていないのにすごくビクビクして怒られている気になる。
・涙もろい。
・音楽や美術に感動して涙が出やすい
4.人混みが苦手
・全校集会や満員電車など人がたくさんいるところに行くと、汗が大量に出たり、腹痛や頭痛になったり、息が上手にできなくなったりする。
・人混みや3人以上で集まって話すことが苦手
5. 苦労したこと
・疲れやすい。学校に行くだけで、外に出かけるだけですごく疲れる。授業中は、いろいろな音や人の声、においが気になって集中できなかったり、静かな時にお腹が鳴ったらどうしよう、先生に当てられて間違えたらどうしよう、など不安をずっと感じていたりと、とにかく落ち着かない。家に帰ったらどっと疲れが出る。
・人間関係が上手に作れない。友達の表情の変化からいろいろなことを読み取って、話すのが怖くなる。グループでいるときは、どのタイミングで話せば良いか分からなかったり、話す前に「こんなこと言っていいのかな」とあれこれ考えたりしているうちに話が進んでいて結局黙ったままただそこにいるだけになってしまう。
・新しく友達を作るのが苦手で、仲良くなりたいと思っても自分からはまず話しかけに行かなかった。話しかけてくれたら嬉しい気持ちはあるが、話している時も「私と話してて本当に楽しいのかな」「本当は話したくないんじゃないかな」などあれこれ考えて、表情などから相手の気持ちを読み取ろうとしてしまう。
【親の対応で良かったこと】
・毎日「学校どうだった?今日は何したの?」と話を振ってくれたりアドバイスしてくれたりする。
・長期休暇明けなど学校に行くことがとても辛い時には「休んでもいいよ」と声をかけてくれる。
・いろいろな経験をさせてくれたこと。川や山、海などにたくさん連れていってくれた。両親が全力で楽しんでいたのも良かった。家族みんなで自然に触れてワイワイする時間が何よりも好きだった。
・きょうだいや他の子と比べられなかったこと。「お兄ちゃんはこうなのに…」「もう○歳なんだからそれぐらいできるようになりなさい」などは一切言わなかった。
・家が安心できる場所だったこと。両親から「これしなさい」「こうしてほしい」と言われたことがなく、家にいる時はしたいことをしていた。
・私の選択を尊重してくれて、悩みや不安を受け止めてくれた。特に母に学校であった嫌なことや悩み、不安に感じていることをよく話した。その時母は「ようがんばったな。しんどかったな。」と私の話をたくさん聞いてくれて、「お母さんもお父さんも家族みんな、いつでもあなたの味方だからね。」と言ってくれた。
・家族という絶対的な安心できる居場所があったから、外でも頑張れた。そのことを強く感じたのは、いじめがあり辛かった時。学校に行きたくないくらい辛かったが、両親は仕事があるため、気づかれないようにしなくてはいけないと思い、隠し続けた。いじめが発覚した時、母が「辛かったね。気づいてあげられなくてごめんね。いっぱい我慢したね。もう我慢しなくていいからね。行きたくなかったら、学校に行かなくていいんだよ。いっぱい休んでいいんだよ。」「あなたは何にも悪くないよ」と言ってくれた。その時も「みんなあなたの味方だから。お母さんとお父さんが絶対に守るから。」と言い、抱きしめてくれた。そして、冷静に今までどんなことがあったのか話を聞いてくれて、学校に相談してくれていじめはなくなった。
【親の対応で困ったこと】
・家族が不機嫌な時。「あ、お母さん怒ってる。私何かしちゃったかな」と考え込んでしまう。両親も人間なので、ずっとにこにこして楽しい時ばかりではなく、しんどい時やイライラしてしまう時もある。今になればそのことは理解できるが、子どもの頃はそんなことまで考えられなかった
・「そんなことまで気にしなくていいよ」と言われること。「気にするな」と言われても気になるし考えてしまう。そのような自分に対して落ち込んでしまうときもあった。聞いてくれるだけで救われる。
・勉強や部活で困るので中学高校になると「学校に行きなさい」と言われることが増えて少ししんどかった。
【HSC、HSPの当事者、保護者に伝えたいこと】
1.当事者へ
・しんどいと思った時に一人で落ち着ける、好きなことをできる時間や場所を作る
・感情やストレスを溜め込みすぎずに、寝たり散歩したりして発散していく
・自分が持つ特徴によってしんどさや生き辛さを感じることもあるけれど、「HSPだから仕方ないよね」とHSC、HSPの気質のせいにすることで楽になれたり少しずつ自分を受け入れることができる。
・まずは自分と向き合ってみる。そして自分を受け入れて、どうすれば生きやすいか探していく。高3の時にHSPという言葉に出会ってから、私はこういうところがある、こういうことがなかなか上手にできないんだ、でもこうしたら何とかできる、と自分のことを理解し始めた。今は自分の性質を前向きに受け入れて、どう自分と付き合っていくか模索している最中。私のようにHSPという特性を理解することで、自分のことを少しずつ認めて、楽になる子もいるかもしれない。
2.保護者へ
・安心して落ち着ける環境や居心地の良い場所を築く
・話を聴いたり、様子を見ながら少しそっと見守ったりする
・「出来て当たり前」と思ってしまうことも、自己肯定感を高められるように些細なことでも積極的に褒める
・お子さんがある程度物事を理解できる年齢になったら、伝えてみてもいいのではないかと思う。例えば、HSCについての本を置いておいたり、保護者の方がお子さんが見えるところで読んでみたりするなど、お子さんが自分の性質のことでしんどくなった時に見られるようにしておくのも一つの方法かもしれない。
・大人がレールを敷くのではなく、子どもたちを信頼して子どもが生きたいように感じたままにありのままで生きている姿を見守って欲しい。子どもは大人が思っている以上にたくさんのことを考えて、感じて、自分の意思を持っている。それを尊重して、「やってみたい」という気持ちを受け止めて欲しい。でも私みたいに「やってみたいけど、失敗したらどうしよう」「私なんかがやってもいいのかな」って思ってる子もいる。そんな子に対しては背中をポンっと少しだけ押して欲しい。味方がいると分かるだけで心強い。
・つまずいて転けてしまうこともあって、その時はこの世の終わりなのかという勢い落ち込むけれど、それも経験。人より時間がかかっても自分でなんとか乗り越えたり、色んな人に助けてもらいながら何とか前に進める。自分で頑張っている時はそばで見守って、助けを必要としているのなら手を差し伸べて欲しい。
・さまざまな理由で「学校に行きたくないけど行かないといけない」と悩んでいる子もいる。そんな時は「少し休んでみたら?」と言ってあげてもいいと思う。それでも私のように「行く!」と言うのなら見守って欲しい。帰ってきたら「今日も頑張って行ってきたね」と頑張りを認めてくれたら嬉しい。安心できる場所で待っていてくれる人がいると頑張れる。
・ただ、無理に頑張らなくてもいい。「勉強についていけなくなる…」「進路に響いたらどうしよう…」という不安もある。しかし、学校ではない別の場所で自分の生きる場所を見つけている人もたくさんいる。フリースクールだったり、ホームスクールだったり、いろいろな学ぶ方法がある。無理して学校に行ってただ辛い思いをするより、好きなこと、得意なことを伸ばせるその子に合った環境でのびのびと学びたいことを学ぶ道を選んだ方が幸せな子もいる。
- 第1回HSC勉強会 開催報告 2022年1月8日
- 2022年1月8日に第1回HSC勉強会をZoomで実施しました。
当日はHSCを持つ保護者を中心に、当事者、教育関係者、支援者を含め、30名以上の方にご参加いただきました。また、今回、Zoomで行ったこともあり、北海道から沖縄まで様々な都道府県からご参加いただきました。
5人に1人がHSCと言われているなか、HSCは決してローカルな問題ではなく、全国に関心を持たれている方がいることを改めて実感した次第です。
プログラムでは、まず松井からHSCの概要の説明を行いました。次にHSPの学生3名から、当事者が望む親の関わりについて話をしてもらいました。今回の勉強会のメインはこの学生からの話だと考えていました。
HSC/HSPの概要は本を読めば理解できますが、当事者の話はなかなか聞く機会がありません。特にHSCの子どもへの関わりについて悩んでいる保護者にとっては、年齢の比較的近い学生から話を聞くことで見通しを立てることができるのではないかと考えました。
自分のことを他人に話すのは勇気のいることですが、学生は、自分の子どもの頃からのHSPの特徴、両親の対応で困ったことや良かったこと、HSC/HSPの当事者、保護者に伝えたいことをしっかりと話してくれました。保護者からも大変勉強になったとの声をいただきました。私も当事者として大変参考になりました。今回、お話をしてくれた学生3名には改めて感謝いたします。
また、短い時間でしたが、Zoomの機能を使ってグループセッションを行い、参加者同士で少し話をできたのも良かったと思います。ただ、もう少しゆっくりと話ができれば良かったと反省しておりますので、次回に活かしていきたいと思います。
今後の勉強会へのご要望として、学校の先生に理解してもらうための方法、不登校への支援、親子揃っての交流などをいただいております。できる限り、皆さんのご要望をテーマに勉強会を定期的に開催したいと考えております。また、個人的には子ども同士が友達になれれば嬉しいと思います。
HSC/HSP当事者の方、保護者の方、決して1人ではありませんので、みんなで知恵を出し合いながら、子どもへの関わり方、自分自身の理解の仕方を一緒に学んでいきましょう。
※勉強会でご紹介した参考図書を載せておきます。
HSCの子育てハッピーアドバイス HSC=ひといちばい敏感な子 明橋大二 1万年堂出版
敏感すぎる自分の処方箋 保坂隆 ナツメ社
繊細な人の心が折れない働き方 井上智介 ナツメ社
- 第1回HSC勉強会 開催報告 HSP当事者が望む親の関わり
- 第1回目の勉強会後、参加できなかった保護者の方から、学生が話した内容について教えて欲しいと言う問い合わせがありました。そのため、学生の許可を取った上で、簡単に内容を掲示します。今後の子どもとの関わりの参考にしていただければ幸いです。
【親の対応で良かったこと】
・HSPの長所を認めてくれたこと。
・落ち込んでいる姿を怒るのではなく共感してくれたこと。
・思いに共感してくれたこと。
・この前大丈夫だったからうまくいく、など認知行動療法と似たようなことをされたこと。
【親の対応で困ったこと】
・精神的不安定に陥りやすいところや、涙脆いところなどによるHSPの性質を否定されたこと。
・根性論で話されること。
・「泣くな」など否定的なことを言われること。
・親が機嫌が悪い時に部屋のドアを強く閉めたり、物をいつもより強く置くことが嫌だなと思っていた。自分に怒っているのかも知れない、自分が何か親の気に触ることをしてしまったのかも知れないと思ってしまうし、親の機嫌が悪いことがすごく伝わってきてしんどくなるため、物に当たるのはやめて欲しい。
・親の行動や表情から、怒っていることは分かるのに、尋ねてみると「怒っていない」と言って、怒っているのを認めないのが不思議に思った。自分から見たら怒っているのがすごく伝わってきているのに、なぜ認めないのか疑問に思った。また、自分が何かしたから親を怒らせてしまったのかも知れないと考えてしまうため、何かあったのなら言って欲しい。
・自分の意見を言葉にする時に毎回涙が出てしまうが、親が最後まで話を聞いてくれた時はとても嬉しかった。話を遮られるのは誰でも嫌だと感じると思うが、私の場合、嫌というよりも「自分は受け入れてもらえないのだ」と感じてしまうため、お子さんが頑張って自分の気持ちを伝えようとしている時は必ず最後まで話を聞いてあげて欲しい。
【HSC、HSPの当事者、保護者に伝えたいこと】
・HSC、HSPは長所が沢山ある。
・5人に1人が当てはまると言われているため、決して孤独ではない。
・HSPのせいだと思うことで、自分を責めずに楽になることもあること(HSPを逃げ道にする)。
・私だけじゃないと気にしないこと。
・HSPでない人からは理解されにくいが、見た目以上に心や頭の中で考えていることが本当に沢山ある。そのしんどさが日々積み重なって、ある日、急に涙が止まらなくなったり、しばらく休んでいたくなることがある。私の場合はアドバイスなどは無くても話を聞いてもらえるだけで気持ちが軽くなるため、お子さんと積極的に会話をして欲しい。
・HSPは相手の表情などから色々なことを感じ取るが、私の場合、ネガティブな方に強く考えてしまうため、完璧に相手の気持ちを読み取っている訳ではないと思う。お子さんには保護者の方の気持ちも伝えるようにしてもらいたい。
・HSPはしんどいことの方が多く取り上げられるが、自然を全身で感じることができたり、周りがあまり気づかないことに気づけたりするなと、素敵な部分も沢山ある。
・保護者の方にはいつも子どもの味方であって欲しい。
・HSC、HSPは自己肯定感が低い傾向にあるため、温かく包み込むような関わりをして欲しい。
- HSC/HSP家族の会について
- 世の中には人一倍敏感な子どもたちがいます。また、大人でも人一倍敏感な人がいます。
このような人たちは、深く考える、過剰に刺激を受けやすい、共感性が高く、感情の反応が強い、ささいな刺激を察知するの4つの気質を持っており、子どもの場合はHSC:
Highly Sensitive Child、大人の場合はHSP: Highly Sensitive Personと呼ばれています。
HSPは、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。
【HSC】ベネッセ教育情報サイト HSCとは?
https://benesse.jp/kosodate/202001/20200114-1.html
【HSP】NHK ハートネット これだけは知ってほしい!“HSP”のこと
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/451/
HSCには以下の特徴が見られます。
(HSCの子育てハッピーアドバイス 明橋大二 一万年堂出版)
・あらゆる可能性を考えるので不安になり、決断や行動するまでに時間がかかる。
・他の子ども達が5や8の刺激が、HSCの子どもでは100に感じる。
・友達や家族、初めて会った人でも、つらい思いをしている人の気持ちがよくわかる。
・他人が怒られていると自分も怒られているような気持ちになる。
・小さな物音、微かなにおい、置物の位置など周囲の変化に敏感に気づく。
・声のトーン、表情、仕草から相手の機嫌や感情を読み取れる。
これらは持って生まれた気質で、大人にってから急にHSPになるものではなく、生まれた時からHSCで、成人期を迎えるとHSPになります。
HSCの子育てには悩みが尽きません。病院での注射や歯医者の治療でパニックになる、いつもと違う予定になると何度も確認してくる、ささいなことですぐに泣いてしまう。
親からすると「それくらい我慢したら」「もっと強くなりなさい」と言ってしまいそうになります。
しかし、HSCにそういった言葉や叱責は逆効果で、子どもの敏感さと繊細さを理解し、ありのまま受け入れることが大切です。
また、普段から自己否定的で自分を責めることが多いため、HSCでは不登校、HSPでは抑うつ状態になりやすい傾向があります。
傷つきやすく、些細なことで落ち込んだり、過剰に受け取ってしまったり、うまく対応できない自分に悩みます。そして、生きづらさを感じることが多いです。
私自身もHSC/HSPの当事者であり、なかなか自分自身の特性を受け入れることができませんでした。
HSCの子育てで悩んでいる方、HSPで生きづらさを感じている方、勉強会などを通して、悩みを分かち合い、子どもも家族も自分らしく生きていくための活動を行っていきたいと考えています。
HSC/HSP当事者の方、ご家族の方、興味を持たれている方、是非ご連絡ください。
〒662-0827 兵庫県西宮市岡田山7‐54
関西学院大学教育学部
准教授 松井学洋
Tel: 0798-52-4416
Email: g-matsui★kwansei.ac.jp
※メールアドレスは@マークを★に変えてあります。